以前の記事で、僕は「フードデリバリーは、僕が探していたシンプルな副業だった」と書いた。
→ Uber Eatsを始めた日、1日の売上は600円だった
では、なぜシンプルだと思ったのか。
理由は、3つあった。
初期投資が少なかったこと。
支払いサイクルが短かったこと。
時間を自分でコントロールできること。
この3つの理由は、当時の僕の状況において必要なものだった。
ただ、フードデリバリーには、デメリットもある。
その両方を、今日は書いていく。
第1章:選んだ理由①初期投資が少ない
最初の理由は、初期投資が少ないことだった。
当時の僕は約1,100万円の借金を抱えていた。
情報商材に約100万円を使って、稼げたのは約10万円だけだった。
その後に挑戦したせどりでは、卸業者からの仕入れで、約15万円の損失を出し、続けるのが難しくなっていた。
クレジットカードのリボ払いと、カードローンの返済の引落しが、毎月発生する。
本業の給料だけでは足らず、少しずつ銀行の残高が減っていった。
具体的な金額や期日は覚えていないが、あと数ヶ月で、資金が尽き破綻するだろうことが容易に想像できた。
限界が、近づいていた。
そんな状況を打破する為、なにか良い副業がないか探した。
スモールスタートにすべき理由
これまでの失敗で、初期投資を大きくしてしまうと、失敗した後の影響も大きいことを、身をもって学んだ。
だから、次の副業はスモールスタートにすべきだと思った。
例えるなら、自転車に乗れるようになる為に、幹線道路で練習する人はいない。
大けがをする可能性があるからだ。
だから、失敗しても大けがをしにくい、公園の土の上などで練習をする。
副業も、同じだと思った。
「次に失敗しても、大けがをしないように」する必要があった。
7,850円で始められた
その視点で、フードデリバリーを見てみる。
最低限必要だったのは、ヘルメットと配達バッグの2つだけだった。
当時、Uber Eats公式ショップでの購入額は、合わせて7,850円。
自転車は、5年ほど前に譲り受けた中古のものがあった。
古くてボロボロだったが、走ることはできた。
スマホは、普段使っているものをそのまま使えた。
つまり、追加で必要だったお金は、7,850円だけ。
登録自体は無料で、特別な資格もいらない。
運転免許証の写真があれば、登録できた。
これまでの投資(情報商材に約100万円・卸業者からの仕入れに数十万円)と比べれば、桁が違う金額だった。
7,850円といえど、痛い
とはいえ、たった7,850円でも、失ったら痛い金額ではあった。
借金返済中の身で、毎月の支払いに追われている状態。
その中から出す7,850円は、決して軽くなかった。
でも、多少のリスクを背負わなければ、稼ぐことはできない。
だから、「もし、稼ぐのに向いていなかったとしても、投資した7,850円分だけは稼働して回収してから、やめよう」
撤退ラインを、最初から決めた。
これは、過去の失敗から学んだことだった。
情報商材の時も、せどりの時も、撤退ラインを決めずに突っ込んだ。
だから、ずるずると続けて、傷を広げた。
それぞれの失敗談の詳細は、以前の記事に書いた。
→ せどりの卸業者から営業電話。23回取引して約15万円の損失。でも、学びはあった
次は、そうならないようにしなければいけなかった。
「失敗してもこけても大けがをしないように」、「撤退ラインを決めて」、踏み出した。
それが、初期投資が少ないという理由だった。
ちなみに、この後、配達用の自転車は稼ぎに合わせて買い替えていくことになる。その話は、次の2本に書いた。
→ 3月4.3万→4月22万。フードデリバリーの売上を約5倍にした、中古の電動アシスト自転車
第2章:選んだ理由②支払いサイクルが短い
2つ目の理由は、支払いサイクルが短いことだった。
これは、せどりをしていた時に痛感したことの裏返しでもあった。
せどりのキャッシュフロー構造
僕がせどりをやっていた時、お金が振り込まれるまでの流れはこうだった。
商品を仕入れる
↓
Amazonの倉庫へ送付する
↓
倉庫で受け入れられる
↓
Amazonの商品ページで販売開始
↓
実際に商品が購入される
↓
売上が確定するまで、数日かかる
↓
さらに、約2週間ほど売上金が留保される
↓
Amazonで設定されている入金日に、振り込まれる
仕入れから現金化まで、最短でも1.5ヶ月〜2ヶ月ほどかかった。
しかも、店舗等でクレジットカードを使って仕入れをした場合、カードの支払い日までに現金化できることは、ほぼなかった。
仕入れたものが、一気に全部売れることも、中々なかった。
借金返済中の身で、この時間のズレを埋める余力は、なかった。
一番苦しかった瞬間
せどりで一番苦しかったのは、大量に仕入れた商品が値崩れを起こした時だった。
販売価格が、仕入れ価格を下回った。
さらに、Amazonの手数料がそこに上乗せされる。
その結果、商品が売れれば売れるほど、追加でAmazonにお金を払わなければならない状態になった。
売れない方が、損失が少ない状態。
それでも、不良在庫になった
ただ、その価格で販売する勇気は、さすがになかった。
最安値にはしなかった結果、商品は不良在庫になった。
しかし、Amazonの倉庫に長期間保管していると、別途、保管手数料がかかる。
売れば、追金が必要。
売らなければ、保管手数料が発生する。
八方塞がりの構造だった。
「自身の器以上の仕入れ」が原因だった
なぜ、そうなったのか。
せどりの際に、早く、もっと大きく稼ぎたいと思っていた。
そのために、自身の器以上の仕入れをしてしまった。
それが、原因の一つだったと思っている。
Amazonの手数料体系は、公開されており、仕入れの判断は、僕自身がした。
だから、これは僕の見立てが甘かったということだ。
「少しでも早く現金化できるもの」
このせどりの経験から、次の副業を考えていた時、こう意識していた。
せどりのように、仕入れが必要なく、少しでも早く、現金収入を得られるものは無いか。
そういう視点で、フードデリバリーを見てみる。
フードデリバリーの構造
フードデリバリーで、お金が振り込まれるまでの流れは、こうだった。
配達する
↓
フードデリバリー会社から、設定された締め日と入金日に基づいて、振り込まれる
仕入れも、資金の拘束もない。配達が完了すれば、報酬が確定する。
しかも、サイクルが短い。
一例として、Uber Eats
例えばUber Eatsの場合、僕が始めた当時は、毎週月曜日の4:00に締められ、翌日の火曜日に振り込まれる。この記事を書いている2026年5月時点でも変わっていない。
ただし、各フードデリバリー会社の支払いサイクルは変更される可能性があるため、最新情報は公式サイトで確認してほしい。
初稼働の600円が振り込まれた日
僕が初稼働をしたのは、2023年3月12日の日曜日の夜だった。
その日の売上は、600円。
その翌日、3月13日の月曜日の4:00に締められた。
そして、翌々日、3月14日の火曜日に、登録していた銀行口座を確認すると、たった600円だったけれど、本当に振り込まれていた。
その時、「本当に、稼げるんだ」と実感できた。
借金1,100万円に対して、たった600円。
でも、稼いだ分が、ちゃんと振り込まれる。
それが、確認できた瞬間だった。
支払いサイクルが短いということは、借金返済中の僕にとって、毎月の支払い計画が立てやすいということだ。
それは、当時の僕には非常に助かった。
第3章:選んだ理由③時間を自分でコントロールできる
3つ目の理由は、時間を自分でコントロールできることだった。
事前にシフトを出さなくていい
フードデリバリーは、アルバイトのように事前にシフトを出す必要がない。
アプリで、オンラインにすれば稼働開始、オフラインにすれば稼働終了。
稼働するかしないかは、自分で決めることができる。
これが、当時の僕には都合が良かった。
状況に応じて、稼働を決められた
僕には、サラリーマンとしての本業がある。
本業が早く終わる日もあれば、遅くなる日もある。
急な仕事が入ることもある。
体調が悪い日もある。
初期の頃は、運動不足に加え、電動アシストのない自転車での配達で身体に負担がかかり、筋肉痛で稼働を休むこともあった。
フードデリバリーなら、こうした状況に応じて、稼働するかしないかを決められた。
もし、これがアルバイトでシフトを入れていたら、無理してでも行くか、シフトを変わってもらうしかなかった。
フードデリバリーは、その必要がなかった。
自由には責任が伴う
ここまでだけ書くと、いいことばかりに見えるかもしれない。
でも、物事には必ず良い面があれば悪い面もある。
稼働するかしないかを自分で決めることができるということは、誰も管理してくれないということでもある。
「サボろうと思えば、いくらでもサボれる」
「稼働しなければ、稼げないだけだ」
そういう環境で、稼ぎ続けるのは、サラリーマンとは違う難しさがある。
この「自分で自分をコントロールする難しさ」については、いずれ別の記事で詳しく書く予定だ。
ここでは、「時間を自分でコントロールできる」という選択肢には、自由と責任の両方が含まれている、ということだけ記しておく。
第4章:フードデリバリー副業のデメリット6つ
ここまで、僕がフードデリバリーを選んだ3つの理由を書いてきた。
ただ、メリットだけを並べるつもりはない。
デメリットについてもきちんと伝えたい。
フードデリバリーを約3年やってきた経験から見えたものを、ここで書いておく。
詳細は、それぞれ別の記事で書く予定だが、ここでは概要だけ示しておく。
① 収入が不安定
最初に書いておきたいのは、収入の不安定さだ。
稼働するかしないかは、自分で決められる。
でも、稼働しても、配達依頼が来るかどうかは、わからない。
収入を自分でコントロールすることは難しい。
需要、エリアの状況、フードデリバリー会社のキャンペーン、時間帯、曜日。
いろいろな要因で、収入は変動する。
「今日は稼ぐぞ」と意気込んで稼働しても、配達依頼が少ない日もある。
逆に、何気なく稼働した日に、思っていた以上に配達依頼が入ることもある。
② 身体が資本
フードデリバリーは、身体が資本の仕事だ。
心や身体に不調があれば、稼働することができない。
つまり、稼ぐことができない。
2025年7月、僕は首を痛めた。
その時、僕は身体が資本ということを、特に実感した。
また、配達中の事故というリスクもある。
僕は運よく、これまで大きな事故には遭わなかった。
でも、配達をしている以上、そのリスクはずっとついて回る。
③ 天候の影響
天候の影響は、両面ある。
雨の日は、配達員が少なくなる一方で注文が多くなるため、配達依頼が増えやすい。
フードデリバリー会社によっては、雨天インセンティブで報酬が上がることもある。
収入だけ見れば、雨の日はチャンスといえる。
ただし、その分、事故のリスクは晴れの日よりも上がる。
路面が滑りやすくなる。
視界が悪くなる。
天候は、メリットとデメリットの両方を持つ要因だ。
④ 経費・装備の維持コスト
自転車のメンテナンス費は、定期的に発生する。
タイヤ、チェーン、ブレーキ、その他の消耗品。
配達バッグやヘルメットも、使い続けていれば消耗していく。
僕の場合、約3年使った配達バッグは、ボロボロになってきている。
初期投資は7,850円だったが、配達を続けていく上での維持コストは、ゼロではない。
⑤ 制度面の負担
フードデリバリーの配達員は、業務委託の個人事業主だ。
サラリーマンと違い、有給はない。
身体を壊して稼働できなくなっても、誰も補償してくれない。
また、フードデリバリーを専業でする場合は、社会保険も自分で加入する必要がある。
確定申告も、自分でやる必要がある。
帳簿をつけ、経費を計算し、毎年3月までに税務署へ申告する。
青色申告にすれば節税できるが、その分、手間も増える。
⑥ すべてが自己責任
最後に書きたいのは、フードデリバリーは、良くも悪くも、すべてが自己責任だということだ。
第3章で、時間を自分でコントロールできる、と書いた。
事前にシフトを出さなくていい。
稼働の有無を、自分で決められる。
それは確かに、自由だ。
でも、その自由には、責任が伴う。
収入が不安定なのも、自分で対処する。
体調管理も、自分で行う。
事故のリスクも、自分で負う。
経費の管理も、税金の申告も、自分でやる。
継続して稼ぐためのモチベーションも、自分で保つ。
サラリーマンのように、会社が守ってくれる仕組みは、ない。
これは、「自由」というメリットの裏側にある、避けられない事実だ。
僕の場合は、借金返済という事情があったから、自分で責任を負う必要があった。
でも、それが合わない人もいる。
「すべてが自己責任」というのが、フードデリバリーに限らず、ビジネスを行う上での本質だと、3年やってきて思う。
第5章:アルバイトとの違い
ここまで読んで、こう思った人もいるかもしれない。
「アルバイトとは、何が違うのか」
確かに、副業を考える時、フードデリバリーとアルバイトは、似たような選択肢に見える。
でも、構造的には、けっこう違う。
ここでは、その違いを比較表で見ていく。
| 項目 | フードデリバリー | アルバイト |
|---|---|---|
| 報酬の決まり方 | 出来高制(1配達ごと) | 時給制(固定) |
| 収入の安定性 | 不安定(需要次第) | 比較的安定(シフト制) |
| 稼働時間の決め方 | 自分で決める(アプリで操作) | シフト提出・店舗が決定 |
| 雇用形態 | 業務委託(個人事業主) | 雇用契約(労働者) |
| 社会保険 | 専業の場合は、国民健康保険・国民年金に加入 | 条件次第で社保加入 |
| 税金・確定申告 | 自分で確定申告 | 源泉徴収・年末調整 |
| 怪我・病気 | 自己責任(基本) | 状況によって労災・有給対象になり得る |
各項目について、少しずつ補足していく。
報酬の決まり方
フードデリバリーは、1配達ごとの出来高制。
何件配達したかで、報酬が決まる。
アルバイトは、時給制。
働いた時間×時給で、報酬が決まる。
収入の安定性
出来高制のフードデリバリーは、需要次第で収入が変動する。
配達依頼が多い日は稼げるが、少ない日は稼げない。
時給制のアルバイトは、シフトに入った時間分の報酬が、確実にもらえる。
仕事の量に関係なく、時給は発生する。
稼働時間の決め方
フードデリバリーは、アプリでオンラインにすれば稼働開始。
事前のシフト提出は不要だ。
アルバイトは、事前にシフトを提出して、店舗側がシフトを決める。
一度決まったシフトは、簡単には変更できない。
雇用形態
フードデリバリーは、業務委託契約。
フードデリバリー会社と僕は、対等な事業者同士という建付けだ。
僕は個人事業主として、自分の事業をしていることになる。
アルバイトは、雇用契約。
雇用者と労働者の関係だ。
労働者として、労働基準法などの法律で守られている。
社会保険・税金・怪我
専業でフードデリバリーを行う場合は、社会保険(国民健康保険・国民年金)を自分で手配する必要がある。
税金は、自分で確定申告する必要がある。
怪我や病気で稼働できなくなっても、基本的には自己責任だ。
雇用契約の労働者は、条件を満たせば社会保険(健康保険・厚生年金)に加入できる。
税金は、源泉徴収され、年末調整で会社が手続きしてくれる(副業の場合は別途確定申告が必要なこともある)。
業務中の怪我は労災の対象になり得るし、有給休暇もある。
どちらが優れている、という話ではない
ここまで7項目を見てきた。
でも、これは「どちらが優れているか」という話ではなく、「自分の状況に、どちらが合うか」という話だ。
例えば、働く時間を自分でコントロールしたい人はフードデリバリーの方が合っているかもしれない。
逆に、安定性を重視する人、自分をコントロールするのが苦手な人にとっては、アルバイトの方が合っているかもしれない。
僕の場合は、フードデリバリーが合っていた。
本業との両立、家族との時間、体調管理。
そのすべてを、自分のペースで調整できるから。
→ あなたは、自分の借金総額を即答できますか。今日、書き始めよう
結び:フードデリバリーを「シンプル」と考えた3つの理由
- 初期投資が少ないこと
- 支払いサイクルが短いこと
- 時間を自分でコントロールできること
これが、僕がフードデリバリーを「シンプル」と考えた3つの理由だ。
過去の挑戦で、失敗していたため、初期投資を抑えたかった。
だから、初期投資が少ない、副業が必要だった。
せどりでは、現金化までの時間のズレに苦しんだ。
だから、支払いサイクルが短い、副業が必要だった。
サラリーマンとしての本業があり、終了時間は日によって違う。
だから、時間を自分でコントロールできる、副業が必要だった。
これら3つの理由から、僕は副業としてフードデリバリーを選択した。
ただ、第4章で書いた通り、フードデリバリーには、デメリットもある。
収入の不安定さ。
身体が資本のリスク。
天候の影響。
経費・装備の維持コスト。
制度面の負担。
そして、すべてが自己責任であること。
これらを、避けて通ることはできない。
僕の場合は、メリットとデメリットを天秤にかけて、メリットの方が大きいと判断した。
だから、3年続けている。
この記事を書いた理由
この記事は、フードデリバリーを勧めるためのものでも、止めるためのものでもない。
僕がフードデリバリーを選んだ3つの理由と、デメリットの、両方を書いた。
アルバイトとの違いも、比較表で見てきた。
僕が選んだ理由は、僕の状況での解答だった。
あなたの状況での解答は、あなた自身で見つける必要がある。
僕の経験が、その判断の一助になってくれれば、嬉しい。
複利の奴隷から、成り上がるまで。


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