毎月、決まった日に、決まった額の給料が振り込まれる。
会社員として働いていると、それが当たり前になる。
僕は今も会社員として本業をしているから、その感覚はよく分かる。
でも、自分でビジネスをやると、話は変わる。
ビジネスの売上は一定ではない。波がある。
先月たくさん稼げたからといって、今月も同じように稼げるとは限らない。
僕が副業でやっているフードデリバリーも、例外ではない。
今日は、フードデリバリーの「繁忙期」と「閑散期」について書きたい。
約3年配達を続けてきて、僕なりに分かってきたことがある。
先に結論を書くと、繁忙期は夏と冬。閑散期は春と秋だ。
第1章:フードデリバリーの波は、気候で決まる
フードデリバリーには、繁忙期と閑散期がある。
配達依頼がたくさん入る時期と、なかなか入らない時期だ。
そして、その波を決める一番大きな要因は、気候だと僕は感じている。
考えてみれば、当たり前の話だ。
フードデリバリーを頼む人は、どんなときに頼むのか。
それは、外に出たくないときだ。
暑い日、寒い日、雨の日。
外に出て買い物に行ったり、外食したりするのが億劫な日に、人は出前を頼む。
逆に、気候が良くて過ごしやすい日は、自分で買い物に行ったり、外に食べに出たりする。
だから、フードデリバリーの繁忙期と閑散期は、季節とほぼ重なる。
僕の実感では、繁忙期は夏と冬。閑散期は春と秋だ。
ここから、その一つひとつを書いていく。
第2章:繁忙期は、追い風が吹いている
繁忙期は、夏と冬だ。
暑くて外に出たくない夏。寒くて外に出たくない冬。
どちらも、注文者が「家から出たくないな」と感じる日だ。
そういう時期は、配達依頼がたくさん入る。
配達依頼が多ければ、配達の回数も増える。
回数が増えれば、売上も上がりやすい。
繁忙期は、いわば追い風が吹いている状態だ。
自転車をこいでいて、後ろから風に押される。普段より、前に進みやすい。
だから繁忙期は、その風に乗ることを考えればいい。
ただ、ここで一つ、忘れてはいけないことがある。
注文者にとって「外に出たくない日」に、僕は外に出て配達をするということだ。
注文者が避けている暑さや寒さの中に、僕は出ていく。
夏の昼間は、正直に言って、かなりきつい。
太陽からの直射日光。アスファルトからの照り返し。
その二つに挟まれて、息をするのもしんどいと感じることがある。
1時間もたたないうちに、500mlのペットボトルの水が、空になる。
冬は冬で、寒さがこたえる。
防寒具を着込めば、ある程度は対応できる。
それでも、手先と足先は、かなり冷たくなる。
繁忙期は、気候が売上に味方をしてくれるが、逆に身体への負担になる。
だから繁忙期は、稼ぐことと同じくらい、身体を守ることを考えないといけない。
夏は熱中症に気をつける。こまめに水分をとる。
冬は身体を冷やさないようにする。
稼ぐことばかり考えて、身体を壊してしまっては、元も子もない。
第3章:雨の日は、短い繁忙期
季節の繁忙期とは別に、もう一つ、繁忙期と呼べるものがある。
雨の日だ。
雨の日は、注文が増えて、配達する側が減る。
需要と供給のバランスが崩れて、配達報酬が高くなる傾向がある。
ただ、この記事で書きたいのは、その仕組みの話ではない。実際に雨の日に走ってみて、僕が感じたことだ。
雨の日は、いってみれば「1日だけの、短い繁忙期」だ。
夏や冬が季節単位の繁忙期なら、雨の日は1日単位の繁忙期と言える。
ただ、報酬が高いこの日には、はっきりとした危険がついてくる。
雨の日は、路面が滑る。
僕は、自転車に乗っているときにタイヤが滑って、数回、転倒した。
転倒まではいかなくても、ヒヤリとした場面は何度もあった。
自転車を降りて、お店や配達先まで歩いて向かうとき。そこでも、足元が滑って転びそうになったこともある。
また、雨の降りが強い日は、前が見えにくくなる。
そして雨の日は、普段より遠いエリアまで配達することが多い。
報酬が高い分、移動の負担も増える。
では、雨の日にどう備えるか。
僕がやっているのは、特別なことではない。
当たり前のことを、丁寧にやるだけだ。
自転車のスピードを出さない。
急ブレーキをかけない。
歩くときも、重心を落として、一歩一歩、慎重に歩く。
雨の日は報酬が高い。でも、その報酬を手にするために、特別な技術はいらない。
ただ、慎重に走って、慎重に歩く。
欲を出してスピードを上げて転倒すれば、報酬を得るどころか、大きなものを失う。
雨の日に稼ぎ続けるコツは、慎重さだ。
第4章:閑散期は、向かい風に耐える
ここまで繁忙期の話をしてきた。
次は、その逆。閑散期の話だ。
閑散期は、春と秋。
気候が過ごしやすい時期だ。
過ごしやすいということは、注文者が「外に出てもいいな」と思う時期だということだ。
自分で買い物に行ける。外に食べに行ける。
だから、出前の注文が減る。
注文が減れば、僕に来る依頼も、当然、少なくなる。
そして、僕が一番はっきりと閑散期を感じるのは、待ち時間だ。
1件の配達を完了する。
次の配達依頼が来るのを待つ。
繁忙期なら、すぐに次の依頼が入る。
でも閑散期は、その待ち時間が、長くなる。
依頼を待っている時間は、当然、売上にならない。
繁忙期が追い風なら、閑散期は向かい風だ。
自転車をこいでいて、正面から風に押し返される。同じだけこいでも、前に進む距離が短い。
向かい風のときは、風に乗ることはできない。風に耐えることを、考えるしかない。
僕が閑散期にやっていることが、二つある。
一つは、登録するフードデリバリー会社を増やしておくことだ。
フードデリバリーの会社は、一つではない。
一つの会社だけで稼働していると、その会社の依頼が少ない時期は、それだけで手が止まってしまう。
複数の会社に登録しておけば、ある会社の依頼が来なくても、別の会社の依頼を受けられる可能性がある。
間口を、広げておくということだ。
ただし、いきなり何社も登録するのはおすすめしない。
会社が増えれば、それぞれのアプリの操作や、配達のやり方を覚えないといけない。
多すぎると、対応に困る。
だから僕は、1社から始めて、慣れてきたら2社、さらに慣れてきたら3社、と段階的に増やしてきた。
もう一つ、閑散期にやっていることがある。
待ち時間の使い方を、用意しておくことだ。
待ち時間が長くなると、ただ依頼を待っているだけの時間が増える。
その時間に、僕は電子書籍を読んでいる。
趣味の本を読むこともあれば、ビジネス書を読むこともある。
どちらがいい、という決まりはない。
その日の気分や、その時の状況に合わせて、柔軟に選べばいいと思っている。
ここまで「対処法」として書いてきたが、閑散期について、僕が本当に伝えたいことは、別にある。
閑散期に一番こわいのは、売上が減ること、そのものではない。
待ち時間の長さに気持ちが折れて、フードデリバリーそのものを、やめてしまうことだ。
一度やめてしまえば、次の繁忙期の追い風も、受け取れない。
ここで、誤解しないでほしいことがある。
「今日は依頼が少ないな」と見切りをつけて、早めに切り上げる。それは、悪いことではない。
無理に粘って待ち続けるより、その日は身体を休めて、次の日に備える。そういう判断は、むしろあっていい。僕も、そうする日がある。
切り上げること自体が問題なのではない。問題なのは、「もう嫌だ」と気持ちが折れて、稼働そのものから離れてしまうことだ。
自分で考えて切り上げるのは、判断だ。
気持ちが折れて離れてしまうのは、あきらめだ。
閑散期を乗り切るというのは、上手に配達することではない。
向かい風の日に、無理のない形で、稼働を続けられる工夫をしておくことだ。
僕にとっての電子書籍は、その工夫の一つにすぎない。
フードデリバリーには、繁忙期と閑散期がある。
繁忙期は夏と冬。閑散期は春と秋。
その波を決めるのは、気候だ。
繁忙期は、依頼が増えて売上が伸びる。だから、その流れに乗ることを考える。ただし、身体を守ることを忘れない。
閑散期は、依頼が減って待ち時間が増える。だから、間口を広げ、無理なく続けられる工夫をしておく。
雨の日は、1日だけの短い繁忙期。慎重に走れば、その日の報酬を手にできる。
繁忙期や雨の日のような良い時、閑散期のような悪い時。そんなふうに、売上には「波」がある。
波があることを、あらかじめ知っておく。
それだけで、向き合い方が変わる。
繁忙期に浮かれすぎず、閑散期に落ち込みすぎず、淡々と稼働を続けることができる。
最後に、一つだけ。
これは、フードデリバリーだけの話ではないと思っている。
僕は会社員として、毎月決まった給料が振り込まれる世界を知っている。
同時に、副業を通して、売上に波がある世界も知った。
二つの世界を行き来して思うのは、どんなビジネスにも波はある、ということだ。
良いときもあれば、悪いときもある。
大事なのは、その波があることを、知っているかどうかだ。
波があることを知らなければ、良いときに油断し、悪いときにうろたえる。
波があることを知っていれば、追い風には乗り、向かい風には耐えて、こぎ続けられる。
僕は今日も、自転車をこいでいる。
風の向きを確かめながら。
複利の奴隷から、成り上がるまで。


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