Amazon Flexを自転車で試した。配達しても、しなくても、報酬はほぼ同じだった

配達ゼロの30分は900円、1回配達した30分は899円 フードデリバリー

自宅のポストに、チラシが入っていた。

Amazon FlexのAmazon Now配達で、自転車の配達員を募集していた。

フードデリバリーを3年やってきて、報酬の仕組みはだいたい分かっているつもりだった。でも、このチラシに書かれていた報酬の考え方は、僕が知っているものとは違っていた。

実際に登録して、何日か稼働してみた。分かったことと、分からなかったことを書いておく。

ポストに、チラシが入っていた

チラシが入っていたのは、7月の終わりごろだった。

配達員の募集で、フードデリバリーと似たような稼ぎ方の話に見えた。

僕はUber Eats、出前館、Rocket Nowの3社で配達している。稼働する時間帯や天気によって、どこで走るかを決めている。そこにもう一つ選択肢が増えるなら、試す価値はあると思った。

さらに、条件を満たせば最大で6万円という記載もあった。このキャンペーンの詳細は、あとで書く。

登録手続きを終えたのは、8月の初めだった。

自転車でも、できる仕事だった

Amazon Flexという名前は、前から知っていた。

ただ、軽貨物の車を持っている人がやる仕事だと思っていた。黒ナンバーの車両で、商品を運ぶ。公式サイトや公式の動画で紹介されているのも、そちらが中心だ。自分には関係のない話だと、ずっと思っていた。

Amazon Nowのことも知ってはいた。注文から30分ほどで食品や日用品が届くサービスで、始まったばかりだった。配達員の噂も、少しだけ耳に入っていた。

その二つが、チラシの上で繋がった。

Amazon Flexという枠組みの中に、自転車で配達する仕事がある。使えるのは電動アシスト自転車か原付。業務委託という形も、フードデリバリーと変わらない。

車を持っていない僕にも、できる仕事だった。

「ブロック」という単位

報酬の話をする前に、単位の説明をしておきたい。フードデリバリーと違うところの一つなので。

Amazon Nowでは「ブロック」という時間の枠を受け取って稼働する。僕がオファー画面で見たのは、30分のブロックと40分のブロックの2種類だった。

アプリの「オファー」という画面に、日付と時間帯と金額が並んでいる。たとえば「16:00〜16:40/40分/1,200円」といった具合に。この金額を見てから、受けるかどうかを決める。

受諾した時点では、報酬の画面には表示されない。そのブロックの時間が終わってから、報酬の画面に表示される。

もう一つ、フードデリバリーと大きく違う点がある。1ブロックで配達に出るのは、基本的に1回。配達を終えた時点、もしくは配達がないまま終了時間がきたら、そのブロックは終わる。拠点のスタッフにも確認した。

ただ、その1回で何か所に届けるのかは、まだ分からない。アプリの画面を見ていると、2か所に届ける場合もあるように見える。実際には、今のところ複数か所への配達はしたことがない。

配送先が分かるのは、拠点で待機していて配達の依頼が来たときだ。届ける荷物の中身については、開けるわけではないので、分からないまま届けることになる。

初日、免許証を忘れた

初稼働の日、僕は免許証を忘れた。

13時20分からの40分のブロックを受けて、拠点に着いた。ところが、免許証を持ってくるのを忘れていた。これがないとチェックインできない。

サポートの窓口に電話をして、事情を説明した。いったん帰ることにして、その途中で14時20分の枠を受諾した。免許証を配達用の財布に入れ直して、また拠点に向かった。

拠点に着いて、チェックインしようとすると、13時20分の枠の処理が正常に終わっていなかった。またサポートに電話をして、対応してもらっているうちに、14時25分のチェックイン期限を過ぎた。

2本目も、稼働できないまま終わった。

結局、その日に稼働できたのは15時10分からだった。

あとになって思ったのは、焦って次を取りにいったのが良くなかった、ということだ。目の前の一件をきちんと終わらせてから、次に進むほうが良かった。トラブルが起きているときほど、冷静に対処すべきだった。

配達しても、しなくても、金額はほぼ同じだった

初日の記録を並べてみる。すべて税抜の表示額だ。

  • 15:10〜15:40(30分)900円/配達ゼロ
  • 16:00〜16:30(30分)899円/配達1件
  • 16:50〜17:20(30分)897円/配達ゼロ
  • 18:00〜18:30(30分)1,150円/配達ゼロ

15時10分の枠は、拠点で待機したまま何も来ずに終わった。900円。

16時の枠で、初めて配達に出た。片道15分ほど走って、届けて、戻ってきた。899円。

配達をしていない30分と、実際に走った30分が、1円しか違わない。しかも、配達していないほうが高い。

これがAmazon Nowの報酬の考え方だった。ブロックの時間に対してお金が払われる。配達したかどうかは、金額に関係しない。チラシにも、注文が来なくても、配達が早く終わっても、表示された金額を受け取れるという趣旨のことが書いてあった。

フードデリバリーは、この逆だ。1件運んで、いくら。運ばなければ、ゼロ。3年間、僕はその仕組みの中で走ってきた。

だから最初は、落ち着かなかった。何もしていない30分にお金が発生することに、慣れていなかった。

同じ40分でも、金額が違う

ブロックの長さが同じなら金額も同じかというと、そうではなかった。

40分のブロックで受けたのは、いずれも1,200円だった。ただ、アプリのオファー画面を見ていると、同じ40分でも金額が動いている。早朝の6時台は1,192円から1,193円あたり。7時以降は1,200円前後。

そして昼過ぎの13時台は、1,533円だった。免許証を忘れてキャンセルになった枠が、ちょうどこの時間帯だ。2週間ほどあとに画面を見たときも、13時台の40分は同じ1,533円だった。

同じ1,533円は、夜の20時台にも出ていた。時間帯だけで決まっているわけでもないらしい。

30分のブロックのほうも、897円から1,150円まで幅がある。夕方の18時台が高かった。

拠点によっても、金額は違った。同じ時間帯の同じ40分で、数円の差があることがある。

需要に応じて単価が動いているのだと思う。ただ、僕が見ているのは限られた日数の、限られた時間帯のオファーだけだ。全体としてどういう法則で決まっているのかは分からない。

待っている時間は、報酬に入っていない

ブロックは、間を20分空ける必要がある。受諾したブロックの終了時刻から20分より後に始まる枠でないと、受けられない。まとめて何本か押さえることはできるが、この条件は変わらない。

3本続けて入れた日は、14時50分に終わって次が15時10分、15時50分に終わって次が16時10分、16時50分に終わって次が17時10分だった。取れる限り詰めると、こうなる。

この20分には、お金が発生しない。しかも、拠点の待機スペースは使えない。

待機スペースを使えるのは、受諾したブロックの時間内だけだ。空調が効いていて、Wi-Fiもある。真夏の炎天下で信号待ちをしているのとは、体の消耗がまるで違う。椅子は背もたれのない丸椅子で、長く座っていると腰と尻に来るけれど。

ブロックとブロックの間の20分は、外で過ごすことになる。

待っている人は、だいたい何かをしている。本を読む人、ノートパソコンを開く人、スマホを見る人。配達員同士で話している人もいた。過ごし方はそれぞれだった。

待っている人が多いと、配達に当たりにくい気がした。当たらなくても報酬は出るので、それ自体は困らない。ただ待機しているだけだともったいないので、僕はブログ記事の案を考えたりしている。

稼働の上限も決まっているらしい。電話で問い合わせたところ、1日7時間、1週間で30時間、1か月で130時間までとのことだった。チラシには1日に最大7ブロックまで受けられると書いてある。

1日に7ブロック入れた場合の時間の内訳。報酬が出る時間280分、出ない時間120分

40分のブロックを7本入れると、あいだの待機を含めて6時間40分になる。電話で聞いた1日7時間という数字と、だいたい合う。

実質の時給を計算してみた

アプリに表示されている金額は税抜だ。振り込まれるときは、これに消費税が乗る。

この点は、フードデリバリーの表示と勝手が違う。表示より多く入るので損はしないけれど、アプリの数字をそのまま売上として記録すると、あとで合わなくなる。

つまり30分で900円なら、税込990円。時給にすると約1,980円。悪くないように思える。

でも、実際の手取り感はそこまで高くない。

3本続けて入れた日で計算してみる。40分・40分・30分で、表示額は1,200円、1,200円、1,150円。合計3,550円。消費税を加えると、3,905円になる。

ブロックの時間だけを足すと、110分。これで割ると、時給は約2,100円だ。

ただ、実際にはそれだけの時間で終わっていない。拠点までは片道10分ほどで、あいだの20分も2回はさんでいる。家を出てから帰るまでを通しで見ると、拘束時間は約2時間50分。3,905円をこれで割ると、実質の時給は約1,380円だった。

ただし、この日の僕はAmazon Nowだけを走っていたわけではない。前後の時間はフードデリバリーで稼働している。Amazon Now単体で1日を組んだことがないので、この数字はあくまで、その3本だけを取り出したらこうなる、という想定の計算になる。

それでも、表示されている単価だけを見ていると、この差に気づかない。

同じ年のフードデリバリーと比べてみる。2026年の1月から7月まで、3社合わせた売上を、家を出てから帰るまでの時間で割ると、時給は約2,190円だった。

同じ条件で計算したAmazon Nowは、約1,380円。800円ほどの差がある。

ブロックの時間だけを見れば、時給は約2,100円で大きく変わらない。差が出ているのは、報酬にならない時間のほうだ。

キャンペーンは、条件を満たせば最大6万円だった

チラシに書いてあった条件を、そのまま書く。

1ブロック、5ブロック、10ブロック、15ブロック、35ブロック、50ブロックを完了するごとに、1万円ずつ。全部達成すれば6万円になる。期限は、登録手続きを完了した日から30日以内。僕の場合は、9月の上旬までだ。

刻みを見ると、前半は細かい。1、5、10、15と来て、そこから35に飛び、次が50。後半になるほど、1ブロックあたりの効率が落ちていく。

なので僕は、15ブロックまで取りにいくことにした。そこから先の時間は、フードデリバリーに回したほうが稼ぎが大きいと判断した。

現時点で受け取れたのは、3万円だ。1、5ブロックの分が8月19日に、10ブロックの分が今日入金された。

条件を達成してから画面に反映されるまでは、数日かかった。すぐに数字が動くわけではない。

15ブロックには、まだ届いていない。今週末までには達成したいと考えている。

結び:メインではなく、控えの選択肢として

何日か稼働してみて、僕なりの結論が出た。

Amazon Nowは、現時点では僕のメインの稼ぎ方にはならない。実質の時給が、フードデリバリーの平均に届かないからだ。

ただ、引き出しには入れておく。

売上の予定が立てやすいのは、はっきりした利点だ。ブロックを受けた時点で金額が決まっているので、その日にいくらになるかが読める。フードデリバリーは、走ってみないと分からない。

体の負担も軽い。走る距離が短く、ブロックの時間は屋内で待てる。真夏と真冬の天候のリスクを、拠点が引き受けてくれている。

だから、閑散期や、あまり元気の出ない日に使う。そういう位置づけにした。全部の日を全力で走れるわけではないことは、3年やってきて分かっている。走れない日にゼロになるより、確定した金額を積めるほうがいい日もある。

これは僕の場合の話で、他の人に当てはまるとは限らない。待っている時間に別のことができる人なら、評価はもっと上がると思う。逆に、細切れの時間が苦手な人には向かないはずだ。

Amazon Nowは、始まったばかりのサービスだ。単価も、枠の出方も、これから変わっていくのかもしれない。そのときは、また書く。

複利の奴隷から、成り上がるまで。

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