以前、僕の1日の稼働を書いた記事で、「クエストの仕組みそのものは、別の記事でまとめて書きたい」と書いた。
今回は、そのことについて書いていく。
Uberには「クエスト」と呼ばれる、追加報酬の仕組みがある。
使いこなせば、売上を大きく押し上げてくれる。
でも、仕組みを理解しないまま稼働すると、振り回されて損をする可能性がある。
3年間フードデリバリーを続けてきて、僕なりに見えてきたクエストの仕組みと、そのリスクを、これから始める人や、クエストがよく分からないという人に向けて、まとめておきたい。
先に、一つ断っておく。
クエストの報酬額や条件は、配達員によっても、時期によっても違う。
発行しているのはUber側で、その基準は公開されていない。
だから、ここに書くのは、あくまで「僕の環境で見えている部分」だけだ。
第1章:クエストには、3種類ある
僕の場合、出るクエストは、大きく3種類ある。
- 日跨ぎクエスト
- ピークタイムクエスト
- 雨クエスト
この3つは、性格が違う。
一番の違いは、達成の条件が「期間」なのか、「時間帯」なのかという点だ。
日跨ぎクエストは、「期間」型。
決められた期間の中で、合計で何回配達したかによって、報酬が決まる。
ピークタイムクエストと雨クエストは、「時間帯」型。
昼や夜の、決まった時間帯の配達回数に対して、報酬がつく。
そして、もう一つ大きな違いがある。
日跨ぎクエストは、自分で選べる。
ピークタイムクエストと雨クエストは、自分では選べない。
この「選べるか、選べないか」が、稼働をしていく中で重要になってくる。
そして、それぞれにリスクもある。
第2章:それぞれの仕組み
3種類を、一つずつ見ていく。
日跨ぎクエスト(期間型・自分で選ぶ)
日跨ぎクエストは、対象の期間が始まる前に、自分で目標の配達回数を選ぶ。
選んだ回数を、その期間内に達成すると、通常の配達報酬に加えて、追加報酬が入る。
この目標は、2段階に分かれている。
1段目は、10件から120件まで、10件刻みの12段階から選ぶ。
1段目の目標件数が多いほど、1件あたりのクエスト報酬は高くなる。
2段目は、その1段目の回数に、さらに10件を上乗せしたものだ。
2段目は、達成したあとに現れるわけではなく、選ぶ時点で最初から表示されている。
僕の場合、1件あたりのクエスト報酬は、2段目のほうが高い傾向がある。
ただし、選んだ回数に届かなければ、その報酬はもらえない。
僕の場合、期間は1週間の中で2つに分かれている。
月曜から木曜までが「週の前半」、金曜から日曜までが「週の後半」だ。

日跨ぎクエストの週2区分(※現時点での、僕の環境の区分)
現時点では、この区分で回っている。
Xなどで他の配達員の投稿を見る限り、同じ区分のようだが、僕が確認できるのは自分の画面だけなので、断定はできない。
具体的な報酬の段階や、実際に回数を変えて検証した記録は、別の記事に細かく書いている。
一つ、補足しておく。
以前は、日跨ぎクエストに「配達依頼を拒否できる回数の上限」という条件がついていた。
といっても、これは全員に適用されていたわけではなく、テスト導入で一部の配達員だけが対象だった。僕は、その一部に入っていた。
だが、今はなくなっている。
こういう条件も、Uber側の判断で変わる。
今後また、何かが変わる可能性はある。
ピークタイムクエスト(時間帯型・選べない)
ピークタイムクエストは、昼や夜のピーク時間帯に、決められた回数を配達すると、報酬が入る。
ただ、これは自分では選べない。
配達員によって出たり出なかったりするし、僕自身も、そもそも出ない日がある。
出たとしても、回数は一定しない。
最大で12回のときもあれば、9回や6回のときもある。
段の分け方も、6回+3回+3回だったり、3回+3回+3回+3回だったりと、その時々で変わり、報酬額も変わる。
どういう基準で決まっているのかは、公開されていない。
配達員の間では「謎クエスト」と呼ばれたりもする。
雨クエスト(時間帯型・選べない)
雨クエストは、雨が降っているときや、雨の予報が出ているときに発生する。
これも発行するのはUber側なので、細かい判断基準は分からない。
実際、雨クエストらしきものが出ていても、自分が走っている地域では降っていないこともある。
逆に、雨が降っていても、出ないこともある。
報酬の付き方は、他の2つと少し違う。
1回の配達ごとに、報酬が上乗せされる。
金額はその時によって違うが、僕の環境では、だいたい12回まで上乗せされることが多い。
そして、その付き方が変則的だ。
1回目は基準の約1.5倍、2回目は約0.5倍、3回目から12回目までは基準の額。
たとえば、基準額が200円の場合、1回目が300円、2回目が100円、3回目から12回目までが200円、といった形だ。
雨クエストの時間帯は、だいたいピークタイムクエストと重なる。
雨の日は配達依頼そのものも増えて、標準の配達報酬も上がりやすい。
雨クエストの上乗せと重なって、稼ぎやすい時でもある。過去に時給換算で約4,000円になったこともある。
第3章:クエストの、3つのリスク
仕組みが分かったところで、僕が実際にはまった、あるいは気をつけているリスクを、3つ書いておく。
リスク1:日跨ぎは、選んだ回数に届かないと0になる
日跨ぎクエストは、自分で回数を選べる。
これは売上を上乗せするチャンスだが、裏を返せば、選んだ回数を達成できなければ、追加報酬は0になる。
配達依頼が、思ったより来なかった。
本業や体調で、予定していたほど稼働できなかった。
そういうことは、実際に起きる。
回数を高く見積もりすぎると、あと少しで届かず、それまでの頑張りが報酬につながらない、ということが起きる。
「選べる」ということは、「見積もりを外すリスクを、自分で背負う」ということでもある。
リスク2:ピークと雨は、あてにできない
ピークタイムクエストと雨クエストは、出るかどうかも、いくらもらえるかも、Uber側の判断次第だ。
出ると思っていた日に出なかったり、期待した額より少なかったりする。
これをあてにして「今日はこれくらい稼げるはず」と計画を立てると、簡単に崩れる。
自分でコントロールできないものは、あくまで「出たらラッキー」くらいに考えておく。
そのほうが、気持ちの上でも楽だ。
リスク3:達成に、こだわりすぎる
これは、一番説明が難しいリスクだ。
日跨ぎクエストの回数を追っていると、だんだん「ここまで配達件数を重ねたんだから、達成しないと損だ」という気持ちになってくる。
これまで配達した件数が、頭にちらつくからだ。
でも、すでに配達した件数は、もう戻ってこない。
本当は、そこから先の判断とは、切り離して考えたほうがいい。
経済の言葉に、サンクコスト(もう取り返せない費用)という考え方があるが、まさにこれだと思う。
たとえば、目の前に、他社の報酬が高い配達依頼があるとする。
クエストの達成を優先して、Uberの報酬が低い依頼を受け続けるのか、それとも報酬が高い他社の依頼を受けるのか、どちらが正解だったのか。
正直に言うと、これは分からない。
片方を選んだら、もう片方の結果は、永遠に分からないからだ。
両方を同時に走ることはできない。だから、あとで「あっちが正解だった」と比べて検証することも、できない。
だから僕は、こう考えるようにしている。
「これまで重ねたから」という過去の理由で決めるのではなく、その時点で、自分が後悔しない選択を、その都度していく。
参考までに、僕自身の話をしておく。
あるとき、ピークタイムクエストと日跨ぎクエストの達成を狙って、Uberだけをオンラインにして走っていた。
途中で出前館を立ち上げてみたら、そちらのほうが1件あたりの報酬が高かった。それで、後半は出前館に切り替えた。
このときは、切り替えてよかったと思った。
ただ、あのままUberを続けていたら、どうなっていたのか。それは、今も分からない。
結び
クエストは、うまく使えば、売上を大きく上げることができる。
実際、僕もクエストのおかげで、売上を伸ばせたことが何度もあった。
でも、振り回されると、損をする可能性がある。
選べるもの(日跨ぎ)と、選べないもの(ピーク・雨)を、分けて考える。
そして、選べないものは、あてにしすぎない。
結局のところ、クエストに「こうすれば正解」という答えは、ない。
仕組みを理解したうえで、都度、自分で判断していくしかない。
この記事が、少しでもその判断の助けになれば、うれしい。
僕も都度判断を下しながら、配達を続けていく。
複利の奴隷から、成り上がるまで。


コメント