気づけば借金1,100万。40代で複利の奴隷になった男の話

借金返済の軌跡

40代、借金1,100万円。

この数字を、僕は10数年かけて、ゆっくりと積み上げてきた。

派手に使ったわけじゃない。ギャンブルにハマったわけでもない。家を買ったわけでもない。ただ、毎日を「なんとなく」生きているうちに、気づけばこの金額になっていた。

これは、その全軌跡の記録。同じ地点にいる誰かのために、全部晒していく。

借金1,100万という現実

ある夜、PCの画面に表示された数字は、1,100万円だった。

内訳はこうだ。

  • クレジットカードのリボ払い(5枚合計):約465万円
  • カードローン(3社合計):約240万円
  • 家族からの借入れ:約404万円
  • 合計:約1,100万円

この数字を書いている今でも、少しだけ手が震える。

毎月の返済額は、本業の給料の大半を持っていく。返しても返しても、残高は思ったほど減らない。なぜなら、返している金額のほとんどが「利子」だからだ。

毎月、銀行口座の残高とクレジットカードの明細を見るたびに、少しだけ息が浅くなる。そういう10数年を過ごしてきた。

でも、最初はこんなことになるとは、全く思っていなかった。

すべては、10数年前のある日から始まっている。

最初の一歩は、大手通信キャリア系カードの自動リボ設定キャンペーンだった

あれは30代前半、今から10数年前のことだ。

当時、僕はある大手通信キャリア系のクレジットカードを使っていた。月々の支払いを一括で済ませるだけの、普通のカードの使い方をしていた。

ある日、カード会社から案内が届いた。

「自動リボ払いの設定で10,000ポイントプレゼント」

僕はよく考えもせずに、登録した。

1万ポイント=1万円相当。お得じゃないか。自動なら面倒な手続きもいらない。「設定するだけ」なのだから、ノーリスクだろう。そう思った。

リボ払いという言葉は、もちろん知っていた。でも、「毎月決まった金額を払えばいい仕組み」という、その表面的な理解しかなかった。

月々の支払いが定額になる安心感。自動で処理されるから、何も考えなくていい。最初の数ヶ月は、何も問題はなかった。

「いつでも解除できる」。そう思っていた。

今思えば、ここが入口だった。僕は、自分で鍵のかかる部屋に入って、自分で鍵を閉めた。それに気づいたのは、ずっと後のことだ。

リボ払いという”複利の罠”に堕ちた日

リボ払いが恐ろしいのは、気づきにくいことだ。

毎月の支払いが一定だから、請求額を見ても「いつも通り」に見える。使えば使うほど、利用残高は増えていくのに、明細には「いつも通りの支払額」しか表示されない。

そして、リボ払いの金利は年18%前後。これは複利で効いてくる。

たとえば、50万円の残高を抱えたまま月々1万円を支払っても、そのうち利子は月7,500円前後。元本は2,500円程度しか減らない。50万円を返し終わるのに、10年以上かかる計算になる。

この仕組みを、当時の僕は理解していなかった。いや、理解しようとしなかった。

「毎月ちゃんと払ってるから大丈夫」
「給料日にはリボ残高が少し減ってる気がする」

こういう、根拠のない安心感だけがあった。

複利というのは、従わせることが出来れば最強の武器になる。でも、複利の奴隷になってしまうと、これほど恐ろしいものはない。

僕はその頃、確実に複利の奴隷になっていた。ただ、そう自覚するまでには、まだ時間がかかる。

もう一つの借金——家計管理を妻に丸投げしていた10数年間

ここまで話してきたのは、僕名義の借金だ。でも、1,100万円の内訳には、もう一つの種類の借金が含まれている。

それは、僕が知らない間に積み上がっていた、家族からの借金だった。

結婚してから、僕は家計管理を妻に任せきりにしていた。給与振り込み口座のキャッシュカードと通帳を妻に渡し、家計は妻がやりくりする。家計簿の中身も、月々の収支も、僕はほとんど見ていなかった。

「仕事で疲れているから」
「外で稼いでいくのは自分、家庭内のことは妻の責任」
「任せておけば大丈夫」

そんな言葉で、自分の家の財布に無関心でいる10数年間を過ごしてしまった。

その間、何が起きていたか。

月々の収入では、生活費が足りない月があった。そのとき、妻は義両親に頭を下げて、家賃や光熱費、食費を立て替えてもらっていた。僕には何も言わずに。

妻の母は、立て替えた金額を一つひとつ、細かく記録に残していた。何年も、何度も、娘夫婦の生活を静かに支え続けてくれていた。

それを、僕は何も知らなかった。

気づいたのは、自分の借金を計算した、あの夜のさらに後のことだった。妻を通じて、義母の記録を見せてもらった瞬間、僕は言葉を失った。

404万円。

これが、僕の知らないところで家族が支え合ってきた10数年間の、具体的な重みだった。

僕はその場で、妻の両親に約束した。

「必ず、全額、返します」

義両親は何も責めなかった。ただ静かに頷いてくれた。その静けさが、何よりも辛かった。

借金1,100万のうち、404万は、僕が「家族に無関心だった罪」そのものだった。カードやローンの借金とは違う種類の、誠実さで返さなければならない借金だった。

気づいた時、借金は1,100万になっていた

時間を、少し前に戻す。

自分名義の借金が深刻になり始めていた頃、月々の支払いが徐々に苦しくなっていった。ある月、クレカの支払いに足りないという事態になった。

そこで僕が思い出したのは、ポイ活で作っていたカードローンだった。ポイントキャンペーンで作っただけで、実際には使っていなかった枠。「一時的な凌ぎだから」と、そこから借り入れてカードの支払いに充てた。

これが、借金で借金を返す生活の始まりだった。

一度この回路に入ると、抜けられない。カードの支払いが苦しくなれば、カードローンから借りる。カードローンの枠が減ってきたら、次のカードローンを作る。カードの利用枠が減ってきたら、新しいカードを作る。

そうやって、自転車をこぐように、借金を回し続けた数年間があった。

ある日、ふと気づいた。

カードローンの枠が、もう、ほとんど残っていない。

次に借りるところが、なくなりつつある。

ここで、初めて僕は現実と向き合った。

深夜、自宅のPCの前に座った。スマホで各社のマイページを開き、すべての借入残高を一つずつ確認して、エクセルに入力していった。

数字が、どんどん大きくなっていく。

100万、200万、300万……。

画面の数字が大きくなるたびに、心が冷えていく気がした

エクセルに入力された数字の合計額が、ついに1,000万を超えた瞬間、僕は動けなくなった。

そして、妻経由で後から知った義両親からの立替分を加えた時、最終的な数字が出た。

約1,100万円。

この数字が、自分の人生の重さだった。

絶望の底で気づいた「このままでは人生が終わる」

その夜から、しばらくは現実と向き合えなかった。

数字は確かに見た。でも、見たことを忘れようとした。何もなかったことにしたかった。仕事に行き、家族と食事をし、眠る。表面だけは、何も変わらない日々を過ごした。

でも、心のどこかで、時計の針が進んでいた。

ある日、ふと子供たちの顔を見ていて、気づいてしまった。

これから子供たちは、高校、大学と進んでいく。

教育費は、さらにかかるようになる。今の生活ですら立ち行かないのに、これから必要になる金額が、積み上がっていく

毎月返済しても、返済しても、元本はほとんど減らない。このペースでは、子供たちが独立する頃になっても、借金は終わらない

頭の中に、「自己破産」という4文字が浮かんだ。

その瞬間、一気に想像が広がった。家族崩壊。人生の終わり。それまで築いてきた全てが、ゼロどころかマイナスになる光景。

頭が真っ白になった。

どれくらい、その状態が続いただろう。何時間か、何日か、覚えていない。

でも、あるとき、ふと自分で自分に言った。

「何としても、再起しなければ」

自分に、檄を飛ばすように。

もう、一人の大人として、後には引けない地点にいた。自己破産は、選択肢にしない。そう決めた。

複利の奴隷になると、人生を終わらせる。でも、複利を従わせることができれば、資産を増やす最強の武器になる。そのことを、借金を通して痛いほど理解していた。

ならば、今の自分にできることは何か

地獄から這い上がる方法を、真剣に考え始めた。

自転車でUber Eatsを始めた日

這い上がる方法を考えたとき、最初に試したのは当たり前のことだった。

本業の収入を上げる——でも、これは簡単ではなかった。40代のサラリーマンが、急に年収を跳ね上げるのは難しい。

支出の見直し——保険、携帯、サブスク、食費、あらゆる項目を見直した。確かに月数万円は浮いた。でも、その程度では、1,100万の返済の未来は見えなかった

じゃあ、副業だ。でも、何をすればいい?

そう考えていた時、思い出したのがUber Eatsだった。コロナの自粛期に一気に有名になった、あのフードデリバリー。街でよく見かけるようになった配達員たちの姿。

始めるための条件を、冷静に計算してみた。

  • 自転車は、中古でボロボロだけど、持っている
  • 必要なのは、ヘルメットと配達用バッグだけ
  • 合わせても1万円以下
  • 初期投資、ほぼゼロ
  • 稼げなくても、損失は小さい

さらに、自分にできるかどうかも考えた。

  • 中学・高校の6年間、自転車で通学していた
  • 過去に、宅配ピザ屋で配達のアルバイト経験がある
  • 自転車で配達する、ということ自体には、心理的ハードルが低い

計算すればするほど、「やってみない理由」がなかった。

2023年2月末、Uber Eatsの配達員として登録した。

登録した日の夜、ネットでヘルメットと配達バッグを注文した。数日で荷物が届いた。準備はあっけなく整った。

そして、2023年3月12日

この日付は、今でもはっきり覚えている。僕が、初めて配達員として街に出た日だ。

初稼働は、夜中にした。ピークタイムを避けて、パニックにならないように。少しずつ、慣れていこうと決めていた。

配達アプリを、ドキドキしながら操作した。最初のリクエストが来た時の、心臓の音。スマホの地図を何度も確認しながら、店舗へ向かった。料理を受け取り、お客さんの住所へ走った。

初めての配達を終えて、アプリの画面に表示された配達報酬の金額。

それを見た瞬間、少しだけ、希望が湧いた。

「これで、なんとかできるかもしれない」

1日の売上はほんのわずかだった。でも、自分の足で稼いだ、確かな一歩だった。

あの夜の街の景色を、風の匂いを、ペダルを踏む足の感覚を、僕はこれからもずっと覚えている。

複利の奴隷から、成り上がりの物語へ

あの日から、数年が経った。

僕はまだ、借金返済の途中にいる。

副業としてのフードデリバリーの売上は、以下のようになった。

  • 2023年:269万円
  • 2024年:234万円
  • 2025年:255万円

3年間の合計、約758万円。数字だけ見ると、大きい。

でも、ここから自転車のメンテナンス費、バッテリー代、スマホや通信費などの経費を引く。さらに、副業収入にかかる所得税と住民税を払う。手元に残る金額は、売上の半分強といったところだ。

そして、僕には子供たちがいる。成長するにつれて、教育費は年々増えていく。副業で稼いだお金のすべてを返済に回せるわけではない。

さらに、予期せぬ出来事もあった。

2024年の夏、僕は首を痛めてしまった。自転車で走り続ける日々の中で、負担が蓄積していたのだと思う。しばらく配達はできず、副業収入はゼロに近い月が続いた。さらに、通院と治療の医療費が家計にのしかかった。

この時期は、返済のブレーキがはっきりとかかった。稼げない上に、お金が出ていく。借金の数字は、少しだけだが逆行した月もあった。

体が資本の副業は、こういうリスクを抱えている。これも、正直に記録しておく。

だから、言う。借金は、少しずつしか減っていない

先月末時点で、残債は約952万円。スタート地点の1,100万円から、3年かけて、ようやく148万円減らしたところだ。

しかも、今月末の数字はさらに厳しい。子供の進学先が私立高校になった。入学金、制服、学費、その他の初期費用で、一時的に借金は再び増える予定だ。

これが現実だ。副業を頑張れば、順調に借金が減っていく、そんな綺麗な話ではない。予期しない出費や、自分の体調変化で、いつでも計画は崩れる。

それでも、始める前と今とでは、決定的に違うことがある。

今は苦しい。借金は、想定外の出費で増える月もある。思うようなペースでは減っていかない。

でも、絶望はしていない。出口が、見えている。

新しいカードやカードローンを、もう作っていない。家計と返済計画は、妻と一緒に見ている。毎月の収支を把握して、返済を続けている。

借金返済に魔法はない。稼ぐ力を少しずつ上げて、支出を見直して、毎月残ったお金を、焦らず返済に回す。時には、想定外の出費で一時的に後退する月もある。その現実も含めて全部記録していくのが、このブログだ。

家計に「向き合う」という、当たり前のことを、40代になってようやく始めた。妻と一緒に収支を確認し、義両親への返済も少しずつ進めている。遅すぎたかもしれない。でも、始めないよりはずっといい。

これからの目標は、借金の完済、それから資産形成、そしてFIRE(経済的自立)だ。

複利の奴隷になるのではなく、複利を従わせる

それが、このブログの、そして僕の人生の、テーマだ。

このブログで書いていくこと

このブログでは、借金1,100万からの完済、その先の資産形成、FIRE達成までの全軌跡を発信していく。

具体的には、3つの柱がある。

  • 借金返済の軌跡:毎月の返済進捗・残高公開
  • 稼ぐ力の記録:副業、ブログ収益、複数の収入源への挑戦
  • 資産運用・投資の記録:完済後に向けた勉強・実践

現時点でこのブログに広告は貼っていないが、今後、副業の一つとしてアフィリエイトを取り入れる可能性がある。その時は、他の収入と同じように、数字として公開していく。

数字も、失敗も、全部晒していく。誰かの参考に、誰かの踏みとどまる理由に、なれたら嬉しい。

X(@Yuji_uver0123)でも、日々の気づきや数字を発信しているので、フォローしてもらえると今後の活動の励みになります。

複利の奴隷から、成り上がる物語。

この記録が、今、借金で苦しんでいる誰かのところに、届きますように。

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